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色々注意事項。今回はちょっと多いです。

・ ロロルル VS スザクです。
スザク悪役です
・ スザクはルルーシュの元カレ設定。
・ ルルーシュの辞書に「スザクに対する情け容赦」の言葉なし。
・ ルルーシュが記憶取り戻したあともロロルルはラブラブ設定。
・ もうすでにアダルティーな関係になってるロロルル。
・ しかし大人向けシーンがあるわけではありません。
・  Vol.3でロロが覚醒します。
スザク悪役です。(大事なことなので二回書きました)
・ スザクが可哀相なことになります。
・ 以上、OKな方のみお読みください。
 *ちなみに管理人は悪いスザクが好きです(笑)





 薄く雲がたなびく、青い空の下。
 ルルーシュは先程呼びだしたロロがやってくるのを、アッシュフォード学園の屋上で待っていた。
 やがて、階段を小走りに上がってくる音が聞こえて、ロロが姿を現す。
「兄さん、急にどうしたの? 話って」
「ロロ。…落ち着いて、聞いて欲しいんだ…」



枢木 vol.1 ― 暗殺者より憎しみをこめて



 ルルーシュは、ロロの表情を見ながら、静かに話を始めた。
 ルルーシュの話を聞いているうちに、ロロの顔から表情が消えていく。底冷えするような瞳の奥に、ルルーシュの言葉が呑み込まれていった。
 ルルーシュが話を終えた時、
「…はっ」
 ロロが口元に浮かべた笑みは、命漲る若葉ですらすぐに朽ち果ててしまうようなものだった。すぐにロロは表情を顔から捨て去り、ルルーシュの顔を見たまま、淡々と言う。
「…殺してくる」
 ロロはくるりとルルーシュに背を向ける。
「ロロ、待て」
「…どうして? 黙って見てろって、言うの?」
 冷静に言うルルーシュに背を向けたまま、ロロは訊いた。
「…ロロ。わかっている筈だろう。スザクを殺したら」
「隠蔽工作はいくらでも出来る」
 ロロがルルーシュの方を振り向く。
「黙ってるわけにはいかない」
 ――本当にスザクを殺す気でいる。
 だが、ロロのこの反応も、ルルーシュの予測の範囲内だった。

*    *    *

 ルルーシュがロロを屋上に呼び出す、少し前の教室。
 授業を終え、ルルーシュが机の上を片付けていると、
「ルルーシュ」
 スザクが微笑みながら傍にやってきた。
 その微笑み方から、机に軽く手をやる姿勢、声のトーン。次にスザクが何を言ってくるか、予想出来た。そして、スザクの問いに自分がYESと答えた後に、何を求めてくるのか。スザクがアッシュフォード学園に復学して以来、いつかはこうやって仕掛けてくるだろうとは思っていたから、別段驚きはしなかった。
「今夜、時間空いてる?」
「ああ」
「部屋、行ってもいいかな?」
 どう聞いても艶事を言外に含んだ、訊き方。
 展開が予想通り過ぎて、破滅的な笑いが込み上げて来そうだ。だがルルーシュはその笑みとは違った種類の暖かい笑みをスザクに向ける。
「もう、一生来ないのかと思っていたよ」
「…忙しかったからね」
 かつて、肌を重ねたこともある間柄だ。
 本来、ルルーシュの頭の中から、破局したあの事件 ―互いに銃を向け合った― の記憶が失われていなければいけない事を考えれば、ルルーシュと二人きりになり、その反応をスザクが観察しようとするのは当然だろう。
 そこにはスザク個人の願望が含まれているのかもしれないし、含まれていないのかもしれない。スザクの中で、ルルーシュとの過去の恋愛がどのような形で消化されているのか、さすがのルルーシュにだってわからない。
 自分としては、どう演技しても構わなかった。
 恋人のフリでも感じるフリでも何でもしてやろう。ブラックリベリオンの後、あれ程の屈辱を味わったのだ。それぐらいの事には、耐えられる。
 自分さえ、我慢すればいい。
 寧ろそれでスザクを自分に傾けておくことで、有利にコトが進むならその方がいい。心の問題と身体の問題の間にある扉を、完全にスザクが遮蔽出来るとは思えない。
 自分には、出来る。
 だが、ルルーシュの頭に、ロロの顔が浮かんだ。
 耐えられないのは自分ではなく、おそらく――。

*   *   *

「兄さんは、枢木が憎くないの?」
 刺すような言葉がルルーシュに向けられる。スザクが仕掛けて来る事を前々から分かっていたのなら、このような土壇場になってからではなくて、前もってロロに相談するべきだった。だが、愛しい存在にすすんで話したい話題ではなかっただけに、先送りにしてしまっていたのだ。
 ルルーシュはロロに向けて、敢えて不快感を露にする。
「お前には予想も出来ないぐらいだよ」
 歪んだ表情を浮かべるルルーシュに、ロロの表情が動く。
「じゃあ、どうして! 兄さんがあの男に抱かれるのを、黙って見てろなんて!」
「必要なんだ…俺とロロ。二人で、未来を掴む為に。…今はまだ、ほんの少しの疑念もスザクに抱かせるわけには行かない」
 ロロが息を呑む。ルルーシュはロロが反応を返すのを待たずに、続けた。
「ブリタニア側に、自分の知っている…よく知っている人間がいる。それだけで武器になる。しかも相手はナイトオブラウンズ。俺になら、いくらでも利用できる。なくすには惜しすぎるカードだ。ロロとの未来を開く足がかりになる。…その為なら、俺は」
 すらすらと言いながら、よく出来た台詞だな、とルルーシュは思った。よくここまで愛しい者相手に脚本を練り上げるものだと自分で感心してしまう。
 だが愛する者の前で、演じる自分に罪悪感はなかった。
 愛しい者であっても、愛しい者だからこそ、演技が必要な時はある。
 間違いを起こさせないために。
「…でも」
「ロロ」
 ルルーシュはロロにゆっくりと近づいた。
 そして、
「すまない」
 ロロに頭を下げた。
「…どうして、謝るの?」
「他の男に……」
 ルルーシュは言葉を切り、表情を顔から消した。ロロは狼狽する。
「そんな…兄さんが謝ることじゃないよ!」
「じゃあ、わかってくれるか?」
「…っ…!!」
 ロロは言葉を詰まらせ、堅く拳を握って震わせた。
 これでもう大丈夫だ。ここで退いた方がいい。
「すまない…そろそろ行かないと」
 ルルーシュは階段に向けて足を踏み出し、ロロの横を通り過ぎる。
 ルルーシュが歩をいくつか進めると、
「兄さん…っ…!」
 走り寄ってきたロロに、背中から抱きしめられた。
「ごめん…役に立てなくて…兄さんにばかり背負わせて…」
 ルルーシュは何も言わずに、手を後ろにやってロロの髪を撫でる。
「…俺は、大丈夫だから」
「…ごめんっ…!」
 ロロの手に力が込められて、その声に嗚咽が混じった。
「ロロ」
 ロロから返事は無い。ただ、泣き声だけが聞こえる。悔し涙でロロが身体を震わせているのが、ルルーシュにはわかった。
「スザクは任務でここを離れることも多いだろう。だから、その時に」


上書き、してくれるか?


→枢木vol.2 ― Private Actor
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 vol.2 vol.3は書き終わっているのですが、長くて誤字・脱字チェック作業が追いついてないので、後日Upします。
 『ロシアより愛を込めて』って映画、見たことないのですが、いいタイトルだなーと思います。色々な所で使われてますね。パロディーが。
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現在のお礼SS:ロロルルロロ一本。
効能:管理人のMP回復。感想一言頂けるととても喜びます。
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