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・19話後のルルーシュです。
盛レヨ 咲ケヨ 散リ急グコトナカレ
赤キ華
俺の腕の中で、ロロの体温が失われていった時も。
横たわるロロの身体の傍らで、土に爪を食い込ませた時も。
太陽が傾いていく中、ざくりざくりと爪を立てて、せめてロロが誰にも邪魔されずに、ゆっくりと眠れるように、無心に穴を掘っていった時も。
土の寝床に、ロロの身体を横たえ、土を盛っていた時も。
最後にロロの顔の上に土を盛ろうとして、手が震えた時も。
墓標に、酷いことを言って投げつけてしまったロケットをかけた時も。
俺の頬を、涙が伝うことはなかった。ただ、一度も。
これで、いい。
それこそが、最後までついてきくれたロロへの、今の俺が出来る、せめてもの手向け。
涙を流してしまえと要求する身体が、断固として抵抗する俺に、悲鳴を上げる。流すことの出来ない熱で目の奥は焼け付くように熱く、外に押し出されることのない感情は、俺の心臓を潰さんばかりに鷲づかみにし、赤い流れに乗って全身を無数の針が走り抜ける。呼吸することすら忘れて、酸素を求める肺が引き攣れた声をだした。
上等だ。
ロロはこれ以上の苦しみと痛みの中で、俺と違う時間の流れの中で、たった一人で、必死に俺の命を繋ぎとめてくれた。一体ロロが何度ギアスを使い、どれほど長い間耐え抜いたのか、時を止めていた俺にはもう知ることすら出来ない。
どんなに痛かったか。どんなに苦しかったか。
だから俺は、この痛みが俺から流れ出て行くことを絶対に許しはしない。たとえそれで魂が蝕まれようと、構いはしない。蝕まれる痛みが、俺とお前を結びつけてくれるというのなら、本望だ。
為すべきことの為に、この命を燃やし尽くすまで、俺はこの痛みと共に生き抜いてやる。
お前にしてしまったことも、今はまだ、振り返らない。
今の俺に、後ろを振り返って悔いる資格はない。
ただ前を向いて、立つべき場所を踏み締めるだけだ。
なぁロロ。
全てが終わり、俺の命が尽きた時には、俺を叱ってくれないか。
嘘ばかりつき続けた、俺を。
いや、俺とお前では、逝く場所が違うのか?
ははっ、それも当然かもな。
だがもし、ほんの一瞬でもいい。
一瞬でもいいから、もしまた会えたなら、その時は、どこにも嘘のない涙を流しても、いいか?
楽になりたいからじゃない。もう二度と、お前に嘘はつきたくないから。
気が済むまで俺を罵倒して構わないから。
ロロ。俺は今、ここに誓う。
全てを終わらせて、それをお前の手向けと出来るまで、涙は流さないと。
後ろを振り向かないと。
得ることを義務づけられた結果を、この手中に収めるまで。
それまで俺は、この痛みを糧にして、お前の繋いだ命を赤く見事に咲き誇らせてやる。
独り散り逝く、その瞬間まで。
終
戻る
・ 強く生きることしか許されないルルーシュを、ロロが見守っていますように。
・多分ロロは、自分が追悼されることより、ルルーシュを応援することを望むと思ったので。
・19話の「それが…!!」の続きは「お前への手向け」だったと思っています。
・最初の一行は『わが臈たし悪の華』より
BGM:わが臈たし悪の華
盛レヨ 咲ケヨ 散リ急グコトナカレ
赤キ華
俺の腕の中で、ロロの体温が失われていった時も。
横たわるロロの身体の傍らで、土に爪を食い込ませた時も。
太陽が傾いていく中、ざくりざくりと爪を立てて、せめてロロが誰にも邪魔されずに、ゆっくりと眠れるように、無心に穴を掘っていった時も。
土の寝床に、ロロの身体を横たえ、土を盛っていた時も。
最後にロロの顔の上に土を盛ろうとして、手が震えた時も。
墓標に、酷いことを言って投げつけてしまったロケットをかけた時も。
俺の頬を、涙が伝うことはなかった。ただ、一度も。
これで、いい。
それこそが、最後までついてきくれたロロへの、今の俺が出来る、せめてもの手向け。
涙を流してしまえと要求する身体が、断固として抵抗する俺に、悲鳴を上げる。流すことの出来ない熱で目の奥は焼け付くように熱く、外に押し出されることのない感情は、俺の心臓を潰さんばかりに鷲づかみにし、赤い流れに乗って全身を無数の針が走り抜ける。呼吸することすら忘れて、酸素を求める肺が引き攣れた声をだした。
上等だ。
ロロはこれ以上の苦しみと痛みの中で、俺と違う時間の流れの中で、たった一人で、必死に俺の命を繋ぎとめてくれた。一体ロロが何度ギアスを使い、どれほど長い間耐え抜いたのか、時を止めていた俺にはもう知ることすら出来ない。
どんなに痛かったか。どんなに苦しかったか。
だから俺は、この痛みが俺から流れ出て行くことを絶対に許しはしない。たとえそれで魂が蝕まれようと、構いはしない。蝕まれる痛みが、俺とお前を結びつけてくれるというのなら、本望だ。
為すべきことの為に、この命を燃やし尽くすまで、俺はこの痛みと共に生き抜いてやる。
お前にしてしまったことも、今はまだ、振り返らない。
今の俺に、後ろを振り返って悔いる資格はない。
ただ前を向いて、立つべき場所を踏み締めるだけだ。
なぁロロ。
全てが終わり、俺の命が尽きた時には、俺を叱ってくれないか。
嘘ばかりつき続けた、俺を。
いや、俺とお前では、逝く場所が違うのか?
ははっ、それも当然かもな。
だがもし、ほんの一瞬でもいい。
一瞬でもいいから、もしまた会えたなら、その時は、どこにも嘘のない涙を流しても、いいか?
楽になりたいからじゃない。もう二度と、お前に嘘はつきたくないから。
気が済むまで俺を罵倒して構わないから。
ロロ。俺は今、ここに誓う。
全てを終わらせて、それをお前の手向けと出来るまで、涙は流さないと。
後ろを振り向かないと。
得ることを義務づけられた結果を、この手中に収めるまで。
それまで俺は、この痛みを糧にして、お前の繋いだ命を赤く見事に咲き誇らせてやる。
独り散り逝く、その瞬間まで。
終
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・ 強く生きることしか許されないルルーシュを、ロロが見守っていますように。
・多分ロロは、自分が追悼されることより、ルルーシュを応援することを望むと思ったので。
・19話の「それが…!!」の続きは「お前への手向け」だったと思っています。
・最初の一行は『わが臈たし悪の華』より
BGM:わが臈たし悪の華
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