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  おまけ・その2



 夜。
 ルルーシュの手による右手の拘束をなんとか振り切ったあと、ロロは絵をまず壁に立てかけ、ペンライトの明かりを頼りに、どの位置にとりつけるのかの確認を行っていた。完璧な位置に『窓』を取り付ける為に。『窓』なのだから、高すぎても低すぎてもいけないのだ。
 ルルーシュを起こさないように、気配を消しながら慎重に作業を行う中、

 「……ロロ……」

 背後から聞こえた声に、ロロはびくりとしてから、動きをしばらく止め、ぎこちない動きで振り向いた。
 気配を消すのは得意中の得意なのに起こしてしまったのか、というロロの予想とは裏腹に、ルルーシュの目は閉じられていた。
 なんだ寝言か、と作業を再開しながらも、ロロの顔は綻んでいた。

 (僕、兄さんの夢の中で何してるのかな)

 ルルーシュが夢の中でも自分を見てくれていると、嬉しくてしばらく作業がはかどる中、

 「ははっ!! ライ! くすぐったい!」

 ロロは般若のごとく恐ろしい形相でルルーシュの方を振り返った。

 (兄さん! ライってどれ!? しかもくすぐったいって何してるの!?)

 ライという名前でルルーシュと関わりのある人間をロロは複数人知っているが、一体どれだ(「誰」ではなく「どれ」だ)と怒りで工具を折りそうになる。
 何やらとても楽しそうなルルーシュを今すぐにも起こしたい衝動にかられるが、ロロは手を震わせながらも我慢する。

 (我慢我慢。兄さんが寝てる間にこれを取り付け終わらないと……!!)

 しかし夢の中とはいえ、ライ、許すまじ。
 五寸釘でも打ちたい気分に陥りながら、ロロはルルーシュの笑い声を聞きながら暗澹たる気分で、絵の取り付け作業を再開した。

 (いいんだ! 今苦しくても、兄さんが明日喜んでくれるなら!!)

 そう自分に言い聞かせながらロロは淡々と手を動かす。

 「ロロっ! 待て、違うんだ、これは!!」
 (……修羅場?)

 自業自得だよ兄さん、と思いながらも、その後ルルーシュの夢がなかなかに過激な展開をしたので、途中で何度か作業が中断した結果、ロロが作業を終えたのは、予定を遥かにオーバーした時だった。

 兄さんを途中で叩き起こさなかったことを、誰か褒めてください。



(終)
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現在のお礼SS:ロロルルロロ一本。
効能:管理人のMP回復。感想一言頂けるととても喜びます。
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